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前章

娘婿の仕事の都合で、娘家族のニュー・ヨーク市ブルックリンからモンタナ州に引越しが決まったのは2009年も終わりの頃。
モンタナは極寒の地。  娘婿だけ一足先に単身赴任。 娘と孫は春過ぎに引越予定で、その時は手伝いに来てくれとの事。

飛行機だとコロラド州デンヴァーで小さなプロペラ機に乗り換え。
その年の夏、生後半年の息子と親子 3人で下見に行った時は荷物の制限もあり大変だったとの事。
料金も市場独占で、一人 650ドル少々、閑散期に日本との往復ができる位に高い。

ダコタ、モンタナ州だったらアムトラックが行っている筈。
まずグーグル・アースで目的地を確認した所、ダコタ州からモンタナ州に入って直ぐの所で、カナダの国境線にもそんなに遠くない。
これならシカゴ〜ポートランドの列車の通り道に近いし、又寝台車に乗れる、と早速アムトラックをインターネットで調ると、何と目的地の駅名があった。

旅客列車の走る線が少ないアメリカで、引越し先に駅があるとは偶然とは言え・・・・ 目的地には昼前に着くのでこれも都合が良い。
参考に値段を調べると (3月)運賃が何と 197ドル。
ニュー・ヨークからシカゴ、乗換えてウイルストン、ノース・ダコタ州なのだが、間違えたのかと何回か調べても 197ドル。
これにシニアー・ディスカウントが 10% 。 運賃自体に関しては季節の変動無し。 

寝台料金もNY〜シカゴ間が 200ドル程度(と記憶している)、シカゴ〜ウイルストン間は 240ドル(?)。
しかも日本と違い、寝台は個室のみで、一部屋幾ら。 二人で一部屋だったら一人頭半額。
取り敢えず時刻表をプリントし、料金を余白に書き込んだ。
前回の時は寝台車が取れるかどうか判らないので旅行社まかせ。  しかもシーズン真っ盛りだから高くても当然、だったのだが。

ブルックリンのアパートは娘が購入したもので、当時、売り市場が良くなく、貸す事に決めたは良いが、借りる人が見つかるかどうかは賭け。
後は娘からの連絡を待つ。

帰国は普通ならアムトラックでシアトルかポートランドに行き、航空便なのだが、日本の航空会社はJALだけ。
JALにはなるべく乗らないという信念があったが、ANAではUAでサン・フランシスコ、又はロス迄飛ばなければならない。

しかし、前回果たせなかった蒸気機関車運転の夢が又膨らんできた。
もう鉄道気違いでもないし、本来は、俗に言う日本の近代蒸機機関車(D51,C57以降) しか興味が無かった私だったのだが、小さい時の夢は夢。
700ドルは大変な出費。 しかし、一生に一度、機会があるかないか。逃して後悔はしたくなかった。
(本当は昔、D51を機関区構内で転がした経験があるので二度目か?)

アメリカの鉄道旅客運行路線は大まかに言えば、東西横断では3本あるのだが、南北縦断に関しては東部と西部海岸に一本づつ。
中西部に関しては無いに等しい。
ネヴァダ・ノーザン鉄道(NNR)のあるネヴァダ州は前回乗ったシカゴ〜サン・フランシスコのカリフォルニア・ゼフィーが北側を横断している。
イーライ迄辿り着けば何とかなる、そこ迄はレンタ・カーなりバスで移動できると思った。

4月も中旬が過ぎ、これ以上待っても航空運賃が上がり、アムトラックの寝台券が手に入り難くなるだけ。
娘も宙ぶらりんの状態が続く事が耐えられなくなったか、5月上旬には引越しを、と相談してきた。

引越しが5月中旬迄延びる事を考慮に入れ、ゴールデン・ウイーク料金に入る前日の成田発 JFK 便、
エコ割り往復期限ギリギリでサン・フランシスコ発5月26日成田便の予約を入れた。

同時にNNRの機関車レンタル・スケジュールを調べてみた所、5月は週末だけ行なっている。
最後の土、日は、午前1便、昼の1便の内、朝(08:30)がもう予約済み。
インターネット予約では、どの程度の頻度でチェックしているのか不明なので、早速電話を入れてみた。
幸い昼便は空いているので、2週間前に予約の再確認を入れるという事にして貰い、確定。
クレジット・カード番号は良いとして、電話、住所を聞かれた時は一瞬返事に困った。

送付物があるので、というので取り敢えず娘の住所と電話番号をファックスで送る。
外国語の場合、ファックスは比較的安全で確実に情報が送れるので便利。
住所を聞かれた理由がブルックリンに着いてから判った。

宣材か、と開けてみると、何時もの情報誌以外に、予約確認と心得、問題集がコピー付きで 2部。<
以前の問題用紙は 2枚だったが、これは半端ではない。 何で早くも問題集を送ってくるのかと全てを読んでみると、
ルール・ブック、 ジェネラル・ノティス他 をインターネットでダウン・ロードしてくれとの事。
PDF版をダウン・ロードして驚いた。 ルール・ブックは何と 156ページ。  A4の紙にテキストとしてビッチリ印刷しても 80ページ。
それにトレイン・オーダーと トラック・ワラントが各1ページ。
ジェネラル・ノティスが 13ページ、ジェネラル・オーダーは 12ページ。大変な読み物になってしまった。

借家人もやっと見つかり、コーオプ・ボードの審査は締切後だったが、受け付けてくれて特別 OK。
ギリギリで 12日に引越しトラック、14日に移動開始と決定。

アムトラックをチェックしてみると寝台室料金が相当上がっているし、ファミリー・ルームはシカゴ以西満室。
ファミリー・ルームは向かい合わせの座席以外に折り畳みの椅子があり、親子三人で使用可能。 娘は狙っていたのだが致し方ない。

ニュー・ヨーク〜シカコ間はファミリー・ルームだが何と約 800ドル。 シカコ〜ウオルフ・ポイント間は 260ドル。
1200ドル迄は引越し経費の旅費という事で政府が出してくれる事になっていたので、差額は私の旅費という事にしてそのままインターネットで購入。

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